ビタミンDはアトピーやアレルギーの救世主なのか

ビタミンD

この記事の重要度:

ビタミンDの不足がアトピーやアレルギーを発症、悪化させているという報告があります。さらにビタミンDを補給することで、症状が改善するという研究もあります。検証します。

ビタミンDとアトピー、アレルギー

前回からのつづきです。前の記事がまだの方は上のページからどうぞ。前置きが異様に長くなってしまいましたので、ここからは要点だけをさくっと書きます。

ビタミンDにはアレルギーを抑える働きがある。日光を浴びると、紫外線の刺激によって皮膚でコレステロールからビタミンDが合成される。

ハイ、これがすべてです。太陽を浴びたら、アトピーアレルギーが治まる。光線療法でアトピーが改善するのもビタミンDのおかげ。さあ、いますぐ日光を浴びに外へ行きましょう!

ビタミンDは免疫を高める

もっときちんと知りたいという方もおられると思いますから、いちおうくわしく説明しておきます。

ビタミンDは従来、骨を丈夫にする働きが知られてきましたが、近年はアレルギー治療の救世主として脚光を浴びています。こんな働きがあるとわかったから。

  • の粘膜での過剰な免疫反応を調整する。
  • リンパ球に働きかけて、免疫を整える。
  • 皮膚からの外敵侵入を阻む抗菌成分をつくる。

まるでステロイドホルモンのような働きぶり。というのはビタミンDはホルモン(ホルモン前駆物質)なのです。わたしたち現代人は総じて日光にあたる時間が極端に短いため、ビタミンD欠乏に陥っているとか。日焼けどめがそこへ拍車をかけている。

※平成16年の国民健康・栄養調査によると、平均で男性3320IU、女性3000IUを摂取していて必要量はまかなえているとのことですが、基準が低すぎるという指摘があります。

ビタミンD欠乏とアトピー

韓国ソウルのコンクク大学の研究者らによると、とりわけアトピー患者はビタミンD欠乏が顕著だそうです。ビタミンDを補給すると症状の顕著な改善があったと報告しています。ちなみに、ステロイド剤の使用が体内のビタミンDレベルを下げる可能性を指摘した別の研究もあります。

米オレゴン大学の微量栄養素情報センターホームページには、はっきりとこう書いてあります。

最近の予備調査では、ビタミンD補給がアトピー性皮膚炎(湿疹)やクローン病の治療に有望であるかもしれないことが示されている。

ビタミンDの欠乏がアトピーの発症あるいは重篤度に関係しているかもしれないという研究もあります。

韓国の、ビタミンDとアレルギーとの関連に関する調査結果

患者157人(4~56歳)を対象に韓国で行なわれた調査の結果。X軸が食物感作(食物アレルギー)の重篤度、Y軸がビタミンD血清レベル。参照:Correlation between serum vitamin d level and the severity of atopic dermatitis associated with food sensitization.

アトピー改善に必要なビタミンDの量

モンゴル保健科学大学の研究で、有意な改善が見られたのは、

  • 1日1000IUを1か月

テヘラン医科学大学(イラン)の研究で、湿疹の広がりやひどさが大きく減少したのは、

  • 1日1600IUを2か月

オルーミーイェ医科大学(イラン)の研究で重篤度を下げたのは、

  • 1日1600IUを2か月

ビタミンDの高用量摂取

海外では数年前からビタミンDが脚光を浴びていて、さまざまな病気の治療のためサプリメントで5000~1万5000IUを摂取する人が多いようです。海外のサイトや本をこまかく見ていくと、人や症状によっては2~5万IUをという人もいる様子。彼らのなかには関節炎や痛み、傷、皮膚疾患、自己免疫疾患、アレルギーなどの顕著な改善を見るケースが少なくないようでした。

彼らのほとんどが、医療機関の診断を仰いでいるわけではなく、自己判断、自己責任のもとで行なっています。個人で服用する際に必要なのが、ビタミンDの血中濃度の測定です。事前に血液検査でチェックし、服用2か月後に再検査をすることで、ビタミンDの身体への影響を可視可するのです。同じ量を服用しても、体内でどの程度利用されているかはわからない。安全に服用するためですね。

※海外では、自宅用の検査キットが58ドルで、Amazonで販売されていました。日本では保険適用外。高くつきそうですね。

なお、ほかのビタミンにもいえることですが、サプリからのビタミンD高用量&長期間の摂取の安全性はいまのところ未確認です。

ちなみにわたしはアトピーが治るまで、サプリで1日2000IUを摂っていました。

ビタミンDを含む食べ物と含有量

食事からも摂取可能です。ビタミンDを多く含む食べ物には、乳製品などの動物性たんぱく質、干し椎茸、鮭などがあります。含有量を調べてみました。

一食あたりのビタミンD含有量
全卵1個20IU
カマンベールチーズ25g40IU
牛ステーキ200g320IU
焼きサバ100g345IU
イワシ缶詰100g400IU
干し椎茸5枚672IU
しらす干し50g11000IU
肝油大さじ1杯1360IU
秋鮭80g10240IU
(アメリカ国立衛生研究所、米国農務省の栄養データベースなどをもとに作成)

わが家の食卓には週1回くらい、しらす干しや鮭がのぼります。かなりガツンとビタミンDが補給できていたのですね。これからも食べることにしましょう。

ここまで書いてきて思いだしたのですが、昔、わたしはどんこ(干し椎茸)を大袋で大量に買いこんで、毎日食べていました。

干し椎茸を日光に当てるとビタミンDが増えると聞きつけ、食べる前日にどんこをベランダで天日干し。日が落ちたらコップにひとつ入れて水を注ぐ。それを冷蔵庫へ。翌朝にまずそのを飲むのです。さらに夜、どんこ数枚を料理に使っていただきます。

里芋パスター、第一大根湯、椎茸昆布スープ」のページに書いていました。完全に忘れていました。しかしほんとうにいろいろと試してきたのだなあと苦笑しました。

【反証】ビタミンD欠乏とアトピーは無関係

夏になるとアトピーがよくなり、冬にアトピーが悪化する、この「アトピーあるある」も、これまでの話でうまく説明できそうですね。赤道から離れるにつれて、アレルギー疾患の罹患率があがるという研究データもあります。

が、ビタミンDの健康機能については、最近になって反証も出てきています。

カナダ・モントリオールのマギル大学の研究者やユダヤ人総合病院の医師らが、10万人以上の遺伝子を調べた研究によると、

ビタミンDのサプリメントは、アトピーのリスクを軽減しない。ビタミンD欠乏は、アトピーには影響しない。

この研究には不完全な部分もあるのですが、いずれにしろ日光浴(日焼け)や海水浴がアトピーの症状を改善することは多くの研究でたしかめられています。ビタミンDのアトピー改善効果を否定する人たちは「ビタミンD以外の、未知の要素が関係しているのではないか」といっています。

ビタミンDの是非はさておき、わたしは、

  • 夏場は発汗量が増える(自然な保湿)。
  • 身体が温まり、血行がよくなる(冬は血行が悪くなる)。

というようなことも大いに関係していると思うのですが、どうでしょうか。

ビタミンD合成は日焼けがいちばん

やはり日焼けするのは健康にいい、肌にもいい、というのがわたしの結論です。海水浴にはスキンケア効果があるとも感じます。それに外で遊ぶのは単純に気持ちがいい。毎年あちこちの海水浴場に出没しています。

葉山海水浴場

葉山の海水浴場。南の島のビーチのようなカウンターバーがあり、本格的なカクテルをつくってくれます。バーテンがトム・クルーズに見えます。海の家では外国人バンドがジャズだかレゲエだかを生演奏。ライフセーバーのアナウンスは全部英語。駐車場代1日3000円もとるだけのことはあります。そして周囲の景色は「ザ・ニッポンの原風景」。けっしてジャマイカなどではありません。異世界でツボでした。

十分なビタミンDを合成するには、1日15~30分の直射日光

どの程度の時間、日差しを浴びればいいのか。

  • 毎日15分以上、手首から先に直射日光を浴びる。

これで必要量がまかなえるという専門家もいれば、

  • 週に2~3回、30分ほど全身(水着姿)を焼く。

ことが必要という意見もあります。

個人差もあると思います。わたしはこの間をとって週4~5回、1日30分くらいジョギングするということでいいだろうと考えています。もちろん冬も走っています。夏は毎年、まっ黒です。

日焼けどめはビタミンD欠乏を招く

ビタミンDをつくる紫外線はUVBです。UVBは、洋服やガラスを通過できません。直射日光を浴びる必要があります。

体内でビタミンDを合成することを目的に日差しを浴びるなら、日焼けどめはNGです。アトピーには紫外線対策が必要と考えて、日焼けどめを使用される方もおられますが、化学物質は肌にもありませんよ。

おしまい

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Vitamin D levels and susceptibility to asthma, elevated immunoglobulin E levels, and atopic dermatitis: A Mendelian randomization study. Despoina Manousaki, Lavinia Paternoster, Marie Standl, Miriam F. Moffatt, Martin Farrall, Emmanuelle Bouzigon, David P. Strachan, Florence Demenais, Mark Lathrop, William O. C. M. Cookson, J. Brent Richards PLOS Medicine


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管理人/イチロー

アトピー歴十数年。数年前、ずっと目をそむけてきたアトピーが仕事もできないほど悪化。否応なく病気とがっぷり四つに組み、100日かけてねじふせました。その実践術のすべてを公開します。また食生活アドバイザー(社団法人FLAネットワーク協会認定)の視点から、健康に暮らしていくための正しい食事法を提案。ひとりでも多くの方が、あの苦しみから逃れられますように。